ケータイを持ったサル

トウジン

ケータイを持ったサル―「人間らしさ」の崩壊 (中公新書)
中身は薄い*1が公共心の欠如・引きこもり・少子化傾向などのジグソーパズルのピースをコンパクトに嵌めてみました,気軽に読んでくださいという本だった。深刻なテーマを軽快*2に扱っているので,各方面から反発は必至だろうなと思いつつ,楽しく読んだ。
一番面白く思ったのは,本線とは違う次の箇所。

しかし人間は,寿命が長いというだけではない。単純に誕生から死にいたるまでの絶対的な時間の長さならば,霊長類以外にまで枠を拡げると,もっと長命な種を見かけることはさして難しくない。けれども人間は,「必要以上」に相対的に長い寿命を持つ点では,たいへんユニークと言わなくてはいけない。
「必要以上」の「必要」とは何かというと,繁殖を指している。生物というのは,子孫を残すために繁殖することを必須の任務として背負っている。それなのに人間は,後世に遺伝子を伝える「必要な」役目を終えたにもかかわらず,なお生き続ける。この点でほかの動物と一線を画している。

普通に考えて,生理的早産を宿命として持った結果,子育て期間が必要だからではないでしょうか?

*1:教育費と父親の小遣いの比較,投資ゲームにおけるケータイ族と非ケータイ族の行動選択の比較,ウェーソンの4枚カード問題の専業主婦と非専業主婦との正答率の差

*2:センセーショナルに?