小駒剥がし


小駒図×はがし趣向を集めてみました。


小駒だけの図式に特に魅力は感じられないのですが,
はがし趣向を小駒だけで成立させたこれらの作品は
実に緻密で楽しい仕上がりです。




森長 宏明


子鼠


詰将棋パラダイス 1974-5/1995【詰物語】第43番








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詰パラの読者サロンに改作図として載っていました。
簡単ですが,実に楽しくなってきます。
収束も理想的。




相馬 康幸


僧都


詰将棋パラダイス 1984-8/1997【相馬康幸Collection】No40








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本家で鑑賞したい方はこちら

詰将棋マニアックス

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発表時には「僧都(ししおどし)」という題がついていたようですが,
作品集では触れられていませんでした。


氏には小駒の成桂はがしがもう一つ(もっと?)あり,
これも傑作ですが,私はこちらの方が好きです。


持駒歩18枚。いつもながら,
詰将棋の神様を味方につけているとしか思えない美しい仕上がりです。




上田 吉一




詰将棋パラダイス 1973-1/1981【極光】第36番 / 2001【極光21】第91番








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これまたいつもの事ながら完成度の高さにうっとりとさせられます。
序盤の金が,収束の銀が当たり前のように流れて消えていく。
小駒一つの捨て駒で人を感動させることも可能だという見本です。









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相馬作,上田作と並べられたら次の人は辛くなります。
本作もそういう意味でかわいそうな役回りなのですが,
相馬流・上田流と比べ,添川流と言い切れない中途半端さを感じます。
収束に迂回手順があるなんて,普通は取るに足らないキズなのですが……。


添川氏は短/中/長いずれの世界でも歴史に残る作品を
残している天才作家。このカルタにもこれからたくさん登場する予定です。