持駒変換
持駒変換とは単に駒交換をしたら持駒が金だったのに銀にかわってしまった
ということではありません。
ここでは間駒を利用して
都合の良い持駒を入手し,王さんを詰めあげるというテーマの
作品を集めました。
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柏川悦夫氏は私がもっとも尊敬している作家の一人です。
柏川氏の作品集【駒と人生】は優れた作品群のみならず,解説を山田修司氏が書いているという夢のような作品集です。この本を私は繰り返し読んで,詰将棋観を養っていったのでした。
【駒と人生】第3番は平凡な作品なのですが,解説で山田修司氏が「この当時はまだ合駒作品といえるものが殆どなく,私たちの目にはこの作品はとても新鮮なものに
写ったものです。」とあって,ふ〜ん,そんなものかなと思っていました。
のちに野口文庫【詰】で
本作をみてあの解説が「うん,うん,きっとそうだったに違いない。」と
確信したのでした。
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発表はこの下の第41番の方が先ですが,
柏川作とどうしても並べて鑑賞したくなる作品です
ので,ここに配置しました。
【極光】の
解説には「積分」が1種との変換に対し,
本作では2種との変換を試みた……とあります。
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柳田師兄の頭の中に上の2作があったことは間違いありません。
「これらの傑作をどう越えるか」
こう師兄は考えたはずです。
あなたも,1作,付け加えてみませんか?
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ぎっしりと間駒間駒間駒が詰め込まれた作品です。
香ずらしと組み合わせたことは,この作品が長手数を目指した作品でないことを物語っています。
この作家は「長手数」や「煙詰」など,記録性や難条件の克服をモチーフに創作することはないようです。
本作をもとに長手数への路を切り開いたのが,山本昭一「メガロポリス」・森長宏明「新世界」・添川公司「呪われた夜」といった作品群です。
もっとも,上の行はよくきく歴史記述であるが,将来書きなおされるべきかもしれません。
看寿の「寿」も持駒変換を使って駒を剥がしていくというプロットなのですから,
「積分」は持駒変換部分を分離抽出し精製した作品であり,上の3作は
龍追いをと金剥がしに替えて超手数を実現した作品であると
整理されるようにも思えるのです。
どなたかが「超長手数作品発達の軌跡」という論文を書かれるのを
鶴首して待ちましょう。
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めいと創刊号には傑作がたくさん集まりました。
本作もその一作です。
簡潔な初形からなんと100手を越える手順が
つむぎだされます。
「積分」はパスした方も,本作は必ず解けるので是非挑戦されることをお薦めします。
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添川公司氏も一時期持駒変換テーマをまとめて発表していました。
そのなかで私が一番気に入っているのは本図です。