がんばらない

がんばらない (集英社文庫)
1人か2人死ぬ話は,作者がばっちり効果を狙って計画を立てたか*1,話の流れでここらで一人殺さなくてはならないような状況になって殺す場合*2である。これは,泣かされても仕方ない。
3人以上死ぬ話は,名探偵とは名ばかりで殺人が全部終わってから犯人をつきとめるお話である。これで泣く人はいない。10人以上死ぬ話は戦争物。1億人死ぬ話はSF。結局,泣かされるのは1人か2人の場合だけだと思っていた。
ところが,この本は数ページごとに人が死ぬ。そのたびに泣かされる。だからなかなか読み進まなくて困った。お医者さんが書いた本なのに,助かって喜ぶ話ではなく,みんな死んでいく話。
お薦めです。

*1:序中盤で十分活躍させた龍を捨てるような感じ?

*2:山田洋二の「家族」など