変長を楽しむ作

将棋世界99年2月号」を読んでいたら,豆蔵氏作の次の3手詰が目にとまった。

(3)(11)

一時は流行したが,最近は見なくなっていたタイプの作品である。 (3)は24銀,同桂,11飛まで。(11)は,16銀,同桂,33角までというのが作者の主張である。

しかし,最近の風潮ではこれは,24銀,同桂,11飛,12合,同飛左成まで。 16銀,同桂,33角,24合,同飛まで,いずれも5手駒余りの不完全作と理解される作品ではないだろうか。

それとも,このような「詰ます手順を考える問題」でなく「ルールに沿った正解手順を見つける問題」も楽しもうという風潮になってきているのだろうか?

そうだとしたら,それもまた楽しいことかもしれない。

そこで,とっておきの変長を利用した問題をお見せしよう。橋本哲氏原案,風みどり改作の7手詰である。

この詰将棋をみて,「面白い」と感じるか,「ふざけるな」と感じるか。あなたはどちら?感想は,掲示板でもゲストブックでも。



なお,変長とは詰将棋方言で「変化長手数」の略である。詰手順を美しくすっきり潔くするために,「無駄合」という概念を導入した際に,「手数が2手伸びて駒が余る順は変化としてOK」と考えたのが始まりだろうか?

かつては変化が作意より長くても問題無く,あくまで作者が考えた妙手順が作意だったのだが,それじゃぁ解答募集した際の正解手順に客観性がないと塚田名人が「作意は一番長い手順」と決めた。